まえがき
毎試合ボールを握られ、自陣に引きこもって、ひたすらロングボールを蹴り返す「弱者のサッカー」。
「超攻撃」の看板は川崎やマリノスに奪われ、ピンクにすら勝てなくなった。「何でや。。」
毎年のようにクラブや監督や選手が必死になって取り戻そうとする「ガンバのサッカー」が、なぜいつまでたっても積み上げすらできないのか。
ただ訳も分からず応援して、監督や選手に絶望するのはもうしんどい。「戦術的」にガンバのサッカーを観ることで、クラブが何に苦しんでいるかをもっと深く理解したくなった。
そこでサッカーの「戦術的」な見方を一から勉強することにした。ここではその過程で調べた戦術の基礎から最新の流行まで、さまざまな「サッカー戦術」のトピックを共有していこうと思う。
ということで、まずは戦術の基礎、「フォーメーション」から。
1回目はポヤトス監督の基本フォーメーションである「4-1-2-3」から見ていく。
「4-1-2-3」の特徴
「4-1-2-3」の基本ポジション
スタートの立ち位置はこうなる。
DFは4バックで、MFとFWがそれぞれ3枚、「4-3-3」とは呼び方が違うだけで中身は同じ。MFのうち1人がアンカー役となり4ラインになるので、「4-1-2-3」のほうが実態に近い気はする。
FWが3枚いるので、強力なFWが3人いるチームや、ウイングタイプの選手がいるチームに適している。
「4-1-2-3」のメリット
「4-1-2-3」のメリットはこんな感じ。
- 選手間のバランスが良い。ポジションチェンジがしやすい。
- 斜めのパスコースが多く、パスを回しやすい。ポゼッションに向く。
- 中央からもサイドからもバランス良く攻撃できる。
まずFW3枚とIH2枚の距離が近く、前線でポジションチェンジを行いやすいため、攻撃にバリエーションができる。
またアンカーがCBの間に落ちることで(「アンカー落ち」または「サリーダ・ラボルピアーナ」)、両CBがワイドに開き、SBが高い位置をとることで、WGが中に入っていくこともできる。
しかも最初の立ち位置が、5レーン(ピッチを縦に5等分したエリア)にバランスよく配置されており、縦に選手が被らないため、斜めのパスコースが数多くある。こうなるとパス回しがスムーズになり、ポゼッションがしやすくなる。ポヤトス監督がこのシステムを採用する最大の理由がこれ。
さらにもともと中央に人が多いうえに、サイドもWGとSBが連携できるため、中央とサイドの両方からバランスの良い攻撃を仕掛けることができる。
「4-1-2-3」のデメリット
メリットばかりあげたが、サッカーに完璧なフォーメーションなど存在しないので、当然デメリットもある。
- MF3人にかなりの運動量が要求される。
- アンカーの両脇が空く。
- サイドに起点を作られやすい。
- 前線のポジションチェンジは選手の高い戦術理解力が必要。
必ず狙われるのが、アンカー両脇のスペース。
またサイドで数的不利を作られやすいため、クロス攻撃に弱さを見せる。
この明らかな弱点の対策として、守備時はバランスの良い「4-4-2」への可変が一般的。
IHが1枚落ちてダブルボランチとなり、そのスペースへWGが1枚落ちて、残りのWGとCFの2トップとなる。こうすることで選手間の距離が縮まり、間のパスを通されにくく、サイドチェンジもMFが4枚となるため、スライドが容易となる。
また前線のポジションチェンジは大きなメリットとなる反面、複雑な動きと連携が要求されるため、選手の戦術理解が足りないとノッキングを起こし、攻撃が機能不全に陥る危険性がある。
相手フォーメーションとの相性
最初の立ち位置の組み合わせでの、相手フォーメーションとの相性の良し悪しはこんな感じ。
【相性の良いフォーメーション】
- 「4-4-2」
- 3バック
「4-4-2」はDF、MF、FWがきれいに一列に並ぶ3ラインに対して、「4-1-2-3」は4ラインとなるためMFが相手のライン間にポジションを取りやすい。
「3バック」に対しては、単純に3トップの相手3CBへのマークがしやすくなる。
【相性の悪いフォーメーション】 「4-2-3-1」
相手が「4-2-3-1」だと、MF3枚のポジションが相手の立ち位置にはまり、マークされやすくなってしまう。
「4-1-2-3」を採用しているクラブ
皆さんご存じ「川崎フロンターレ」。
アンカーは守田、田中碧、橘田と次々代表クラスが出てくる(何で??、羨ましい。。)。CFもレアンドロダミアン、右WGには家長と前線にも強力なタレントがおり、破壊力のある攻撃が可能。そら強いわ。
まとめ
ということで、来季のポヤトスガンバの基本フォーメーションとなるであろう「4-1-2-3」について見てきた。
「4-1-2-3」の最大の特徴は、高いポゼッションを軸に、前線の激しいポジションチェンジから繰り出される多彩な攻撃である。戦術浸透にある程度時間は要するが、まずは焦らず「ポゼッションサッカー」の確固たる土台を築き、その先にある「超攻撃」の看板を取り戻すべく、戦術を積み上げていってほしい。
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