【撃ち破れず】2023J1リーグ 第30節 名古屋グランパス(H) レビュー

レビュー

立ち位置を変え、対策は立てた。
何度も縦パスを差し込み、チャレンジする姿勢も見せた。
それでも名古屋の強固な壁は崩せず、セットプレー一発に沈む。
不調から抜け出せないまま、次節は終盤の天王山、大阪ダービー。

試合結果

スコア

 G大阪 vs 名古屋 
01
0前半1
0後半0
得点者26min 藤井

スタメン

(選手交代)59min高尾→倉田、食野→ジェバリ、71minアラーノ→塚元

  • 三浦とアラーノがケガから復帰。
    一方ラヴィは、精神的なダメージが大きくベンチ外。
    代表帰りのジェバリも、ベンチスタートとなった。
  • 黒川をWG起用のサプライズ。
    名古屋のカウンター対策で、守備時は5バックの可変システム。

試合内容

  • 前半立ち上がりはガンバペース。
    だがセットプレーから藤井に叩き込まれ、注意していた先制点を献上。
  • こうなると名古屋ペース。
    5バックでスペースを消され、食野、倉田、塚元と3度の決定機も決めきれず。
    また名古屋WB久保が出色の出来。黒川が封殺され、0-1で逃げ切りを許す。
  • ゲームの入りは良かった。特に目を引いたのは高尾。
    和泉とのデュエルに完勝すると、中へ切り込み宇佐美へラストパス。
    食野とのコンビでポケットに侵入し、鋭いクロスと、立て続けにチャンスメイク。
  • 18分には、宇佐美がプレスを躱して左サイドのスペースに展開。
    これを山本が大きく右サイドへ展開し、セカンドを宇佐美がシュート。
    続くCKではギョンウォンの折り返しを、三浦がシュートと、攻勢を強める。
  • しかし注意していたセットプレーで、均衡を破られる。
    26分、ショートコーナーでマークがずれたところを、東口が藤井に前に入られ
    完璧なヘディングを叩き込まれる。
  • こうなると名古屋のペース。両WBを下げ5バックにして、ゴール前のスペースを封鎖。
    ガンバもアタッキングサードまでは運べるが、最後の崩しでミスを連発。
    もう今季も終盤。いつまで待てば連携が上がってくるのか。。。
  • それでも、43分には食野、63分には倉田、81分には塚元が、GKと1対1まで持ち込む
    全てランゲラックに阻止され、最後まで1点が遠く、2戦連続完封負け。

採点

GK東口4.5唯一のピンチを防げず。今日は相手が守護神だった。
DF高尾5.5和泉に完勝。中へのドリブルもキレていた。
DF三浦4.5CKで藤井に競り負け。ただあとは踏ん張った。
DFギョンウォン5.0ハンドは不問。命拾いしたが、カード貰いすぎ。
DF福岡5.5両SBをそつなく完遂。攻撃の起点としても機能。
MFダワン5.0アラーノとのコンビは息ぴったり。上昇気配。
MF山本5.0パスのズレ、ボールロストが目立った。
MFアラーノ5.0やはり攻守の軸。ピッチを去り、攻め手を失う。
FW食野5.0見事な突破だが決めたかった。連係ミスが多い。
FW宇佐美5.0出し手だけではなく、受け手にもなれるはず。
FW黒川4.5久保に完敗。だが仕掛ける姿勢は良し。続けたい。
FW→倉田5.5前線を活性化。うまく抜け出し、冷静に流し込んだが。
MF→ジェバリ5.0チャンスメイクはできる。だが欲しいのは得点。
DF→塚元5.5スーパーセーブに泣くも、鮮烈な復帰戦。
Cポヤトス5.0守備崩壊には歯止め。あとは得点。苦悩は続く。

注目プレー

81分、塚元の決定機。

3トップのコンビネーションで、決定機を作り出した。
ポイントは3つ。

①宇佐美のロングスプリント
前方のジェバリへパスを出すと同時に、前線へロングスプリント。
この動きにより、塚元の潰れからのセカンドが回収でき、ラストパスにつながった。

②ジェバリの縦パス
塚元の斜めの動きに反応し、勇気をもって縦パスを差し込んだ。
これにより名古屋のDFラインにギャップが生じ、ラストパスのコースが空いた。

③塚元の裏抜けとシュート技術
ジェバリの縦パスを呼び込むダイアゴナルランと、宇佐美が前向きで回収した瞬間に
裏へ飛び出す瞬時の判断は見事。
相手DFを体で抑えながら、シュートを打ち切るまではいけたが
和泉の素早い寄せと、ランゲラックの反応の速さに上回られた。

決まっていれば、塚元覚醒の瞬間となり得ただけに、非常に残念。
ただ連動してスペースを作る、使う、という狙い通りの攻撃を見せられたことは収穫。

次節へ向けて

ポヤトス監督が「良いゲーム」と振り返ったように、ピッチを広く使って相手を押し込み
勇気をもって縦パスを差し込み、崩し切るという意図は感じた。

ただ山本のコメントにもあるように、パスの出し手ばかりで、受け手の動きが少なすぎる。
ジェバリや宇佐美までパスを欲しがって落ちてくるため、出しどころがなくなり
DFラインの前で、ボールを回しているだけで終わってしまった。
特に5バック相手だと、黒川がWBに捕まえられ、サイドから突破できなくなるため
なおさら、両WGがラインの裏へ抜ける動きが重要になってくる。

次節はいよいよダービー。
どんなにチーム状態が悪くても、絶対に負けは許されない。
守備は三浦の復帰と、福岡の復調で、目途は立ってきた。
あとは前線。ジェバリと両WGの動き方を整理し、前回敗戦のリベンジを!

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