最速でW杯出場を決めた日本代表でも採用され
Jリーグでも、主戦とするクラブが爆増した「3-4-2-1」。
なぜこんなに流行っているのか。
メリットや、リーグのトレンドと併せて分析していく。
Jリーグのフォーメーション事情
まずは直近3年間の、Jリーグのフォーメーションを見てみる。
3バック or 4バック
まずは、3バックと4バックの採用比率。
2023年 | 2024年 | 2025年 | |
3バック | 6 | 6 | 10 |
4バック | 12 | 14 | 10 |
2025年になり、明らかに3バックを採用するチームが増えている。
人気フォーメーション
各シーズンでの人気フォーメーションは、こんな感じ。
リーグ全試合での、採用されたフォーメーションの割合。
2023年 | 2024年 | 2025年 | |
1位 | 4-1-2-3(25.3%) | 4-2-3-1(22.4%) | 3-4-2-1(44.0%) |
2位 | 3-4-2-1(22.7%) | 3-4-2-1(22.4%) | 4-2-3-1(24.1%) |
3位 | 4-2-3-1(20.1%) | 4-4-2(21.2%) | 4-4-2(13.0%) |
なんと「3-4-2-1」が、全試合のほぼ半分で採用されている。
主戦とするクラブも、前年の5クラブから、9クラブへ倍増。
逆に黄金期の川崎が主戦とし、2023年には採用率1位だった「4-1-2-3(4-3-3)」は
2025年には圏外と、すっかり不人気。
ガンバも挑戦したがモノにできず、Wボランチ(4-2-3-1)へ鞍替えした。
「3-4-2-1」を主戦とするクラブ
①継続組:広島、名古屋、福岡、東京V、岡山、横浜FC
②転向組:柏、FC東京、町田
今年から、柏、FC東京、町田の3チームが転向。
柏と町田は、スタートダッシュに成功し、さっそく結果が出ている。
人気の理由
では、なぜ「3-4-2-1」が人気なのか。
システムの特徴を見ながら、検証していく。
「3-4-2-1」の特徴
まずはシステムの特徴。

1トップ、2シャドーにWボランチと、中央に人数をかけて
相手を押し込むことを目的とした、攻撃的なフォーメーション。
このシステムの、メリットとデメリットはこんな感じ。
【メリット】
- 中央で数的有利となる。
- 前線に人数が多く、前からプレスをかけやすい。
- 選手が5レーンに均等に配置され、パスコースが作りやすい。
【デメリット】
- サイドで数的不利となる。
- WBの運動量が殺人的。
- プレスが機能しないと、WB裏のスペースから簡単に崩される。
「3-4-2-1」が人気の理由
では、なぜ今年から「3-4-2-1」の採用が急増したか。
理由をいくつか挙げてみる。
ハイプレスとの相性抜群
最大の理由はこれ。
現代サッカーのトレンドである「ハイプレス」との相性が、非常に良い。

一世を風靡した「4-1-2-3」、安定度抜群の「4-2-3-1」、伝統の「4-4-2」など
なんだかんだ言って、ピッチ全体に選手をバランス良く配置できる4バックは
リーグでも過半のチームが採用してきた。
この4バックのチームに対して、「3-4-2-1」は前線に人数が多いため
現代サッカーでは必須の「ハイプレス」が、非常にかけやすいというメリットがある。
1トップ2シャドーが、相手の2CBに対して、常に数的有利となり
WBがSB、ボランチが相手ボランチを消すことで、簡単に前線からハメることができる。
広島、名古屋、福岡、などは、この特徴がチームカラーに鮮明に出ている。
交代枠の拡充
そして、ベンチ枠が拡充されたことも、大きな理由の一つ。
- 選手交代枠 3人→5人
- ベンチ枠 7人→9人
コロナ禍の臨時措置だった選手交代枠5人が、恒久化となり
今年からは、ベンチ入りメンバーも9人へ増加。
選手交代枠が拡充されたことで、「3-4-2-1」最大の泣き所である
「WBの負担が大きすぎる」というデメリットが小さくなった。
例えば広島は、LWBを、前半は東、後半から菅と、ローテーションさせることで
WBの運動量を、90分通して担保することに成功している。
ポゼッションも可能
「3-4-2-1」は5レーンに均等に選手が配置されるため
4バックに対して、斜めのパスコースが作りやすい。

そのため、後方からのビルドアップも比較的やりやすく
リカルドの柏など、ポゼッション志向のチームにも、今年は採用され始めている。
CBの能力向上
CBの能力が、全般的に向上してきたのも大きい。
ビルドアップに長けたCBが、数多く輩出されるようになり
SBの大型化によって、CBを兼任できるSBも増えた。
これにより、CBの人材が豊富になることによって
3CBを採用しやすい環境になってきたといえる。
仕込みが簡単
そして最後は、3バック最大のメリット。
スタート位置を「3-4-2-1」にするだけで
・ハイプレスがかけやすい
・パスコースが多数できる
・中央守備が固くなる
と、高度な戦術の落とし込みや、ややこしい可変などしなくても、多くのメリットを享受できる。
ということは、選手の質が揃わない、予算規模の小さなクラブでも
簡単に落とし込みができるため、弱者のサッカーとも相性が良い。
横浜FC、岡山といった、昇格チームが主戦としていることも納得。
まとめ
今回は、大流行している「3-4-2-1」の、人気の秘密を探ってみた。
やはり、近年不可欠な戦術となっている「ハイプレス」との相性の良さが
最大の要因と考えられる。
ただ、殺人的な運動量がベースであることは変わりなく
昨年の広島のように、長いリーグを考えると、終盤の失速は不可避。
ポヤトスガンバには、このまま4バックで、ポジショナルプレーをベースに
ボールを握り、ゲームを支配する、ポゼッションサッカーを追求して欲しい。
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