2023シーズン、ポヤトス監督を迎え、ポゼッションスタイルの習得に取り組んだガンバ。
ポヤトスが標榜する、「4-1-2-3」をベースとしたポジショナルプレーについて解説していく。
まずはポジショナルプレーの基本となる、フィールドのゾーン分け
いわゆる「5レーン理論」について解説していく。
5レーン理論とは
定義
ピッチを縦に5等分し、それぞれのレーンを以下のように定義する。
- 中央のレーン:「センターレーン」
- 両サイドのレーン:「サイドレーン」
- 1と2の間のレーン:「ハーフスペース」
このハーフスペースという概念が、5レーン理論のポイントとなる。
目的
5レーン理論の目的は、ピッチを5等分し、それぞれのレーンに選手を配置することで
4バックのゾーンディフェンスに対し、数的優位を作り出すことが目的である。
ルール
5レーン理論には、以下の3つのルールがある。
- 1列前の選手が、同じレーンに並ぶのは禁止。
- 2列前の選手は、同じレーンにいること。
- 1列前の選手は、隣のレーンにいること。
これにより、周囲の選手と三角形の位置関係を作りやすくなり
スムーズにパス交換を行うことができる。
メリット
5レーン理論で、新たに提示された「ハーフスペース」という概念。
このゾーンを意識することで、有利に攻撃を組み立てることができる。
ハーフスペースの活用
ハーフスペースを活用するメリットは、以下の3つ。
- プレーの選択肢が増える。
→両サイドのレーンへパス、ドリブル、シュートなど。 - プレーエリアを確保しやすい。
→サイドほど限定されず、センターほど全方向からのプレッシャーもない。 - マークが付きづらい。
→CB、SB、ボランチの誰がマークにつくかで、相手が混乱する。
ニアゾーン(ポケット)の活用
ハーフスペースのなかでも、ペナルティエリア内のゾーンを「ニアゾーン」または「ポケット」と呼び、特に重要視される。ニアゾーンを攻略するメリットは、以下の3つ。
- 決定機となる選択肢が多い。
→シュート、GKとDFの間へのパス、マイナスのパスなど。 - DFがボールウォッチャーになりやすい。
→ボールと、FWの動き出しを、同時に見れない。 - 中央より侵入しやすい。
2023シーズンのガンバも、ホーム川崎戦など
「ハーフスペース」をうまく活用した攻撃パターンが、何度か見られた。
この5レーン理論を踏まえて、次回は「ポジショナルプレー」について解説していく。
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